幼なじみ〜first love〜
遊也との電話を切ってから、約二時間後……アイツはやってきた。




ピンポーン…―――




――……ガチャ…キィ…ッ………




「………久しぶり」




俺は、ドアの前に立っていたケンに言った。




「……“久しぶり”じゃねぇよ…蒼…マジでおまえかよ……ふざけんなよ…っ」




ケンは、いきなり俺の胸ぐらを掴んだ。




「…殴りてぇなら…好きなだけ殴れよ……殴られた痛みなんて、何とでもねぇし……」




俺は、胸ぐらを掴まれたまま、ケンから視線を反らした。




「……ちげぇよ……蒼…」




ケンの声が、少し震えていた。




「俺は…ケンを裏切ったんだ……」




「…ちげぇよ……俺は…おまえが……蒼が生きてて……本当に……」




ケンは、俺の胸ぐらを掴んでいた手を緩めた。




「……この三年間…本当に心配したんだ……」




「………ケン」




「おまえが生きてて…本当に………よかった」




涙が

出そうになった




ケンは
いつも真っ直ぐだった




だから本当のことを言うのが怖かった




ケンは
いつも正しい答えを選ぼうとする




ケンの前だと
本音が出てしまうから




会うのがずっと

怖かったんだ……―――。
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