幼なじみ〜first love〜
下駄箱の前に貼り出された、クラス発表の掲示板前。




あたしと蒼は、人混みをかきわけながら、必死に自分たちの名前を探す。




「あった…。絢音…俺ら同じクラスだ…」




「え?どこ?あ。…本当に腐れ縁だね…」




あぁ…バカ


あたしって本当に素直じゃない。




「よかったじゃん、絢音。高梨も一緒じゃんっ」




「ホントぉ?やったぁ!美々ちゃんまだかなぁ〜?」




高梨 美々。
(たかなし みみ)




美々ちゃんは、中学の時からの、あたしの唯一、親友と呼べる女の子。




ネイルが趣味で、オシャレな女の子。
見た目は可愛いくて派手なのに、性格は男の子みたいにサバサバしていて、ハッキリと物事を言う子。


頼りないあたしの姉のような存在でもある。




美々ちゃんは、あたしの蒼への気持ちを知っている。




「お二人さ〜ん!」




後ろから明るく声をかけてきたのは、美々ちゃんだった。




「美々ちゃ〜んっ!同じクラスだよぉ〜」




「まじで!」




美々ちゃんは、あたしの耳元でそっと囁く。




“よかったじゃんっ!蒼くんと同じクラスで”




あたしは、笑顔で頷いた。




「高校でも絢音と一緒のクラスになれるなんてねー!」




「ねー!奇跡だよねー!」




そう喜んでいられたのも、つかの間だった。
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