幼なじみ〜first love〜
「遊也…ごめんね…」




遊也の胸の中で、呟いた。




「おまえは俺に何回謝れば気がすむんや…」




「違う…あたしズルいんだもん…。甘えちゃいけないって…ひとりで生きてくって…言ったのに…。遊也の気持ち利用して…頼ってる」




「このまえ海で、俺キッパリ、フラれてんねん…悪いのは俺や……」




「遊也は…何も悪くない。今日…遊也が来てくれなかったら…そばにいてくれなかったら…あたし……」




「…俺のことは何も気にせんでええ…。おまえに利用されたって、どんな酷いことされたってかまへん…」




「…遊…也……」




「……俺が絢音のこと、好きやから…。友達でもええ…そばにおりたい」




「…バカだよ…遊也……バカ過ぎる…あたしなんかの為に…」




「バカでもええよ。誰に何言われたってかまわん…絢音がまた笑ってくれんなら……」




遊也は、あたしの身体を少し離して、あたしの頬を撫でた。




「心配せんでええ…絢音が俺のこと何とも思ってへんことぐらい、わかってんねんから…」




遊也は、微笑んだ。




「何もせぇへんから…せやから、安心して寝ろや…。あの日からずっとろくに寝てへんのやろ?」




蒼に別れを告げられてから




ひとりになると

蒼のことばかり考えてた




ひとりで生きてくなんて

強がったくせに




蒼と過ごした


楽しかった日々ばかりを




思い出しては

泣いてた……―――。




「誰でも無理や……あんなに好きだったヤツのこと、すぐに忘れるなんて…誰でも無理なんや。絢音だけが弱いんちゃう……ツラい時は周りに甘えたらええんや……」
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