幼なじみ〜first love〜


遊也の首に腕を回し、全ての想いをキスに込めた……。




遊也…ごめんね


もう二度と遊也を
傷つけないって決めたはずなのに……




あの時のこと
ずっと後悔してきたから




遊也の気持ち利用して

遊也に抱かれて




ただ淋しさから

悲しみから逃れたくて




遊也を傷つけた

17才の時のこと……




あの時あたしは

蒼しか愛せないって




そう思ったの……




だから遊也に

頼っちゃいけないって




それでも遊也は

いつも優しかった




深く、深く

遊也を傷つけたのに




あなたは…許してくれた




それからもずっと




あたしの幸せを

願って




誰よりも

愛してくれていた




触れあう唇が熱を帯びてく……。




あの時とは違う…


あたしは

遊也を好きになりたい




今のあたしには

遊也が必要です……




さんざん振り回して

勝手で…汚い女でごめん…




今度こそきっと…あなたを

好きになる……




すぐにはうまくいかないかもしれない




それでもいま

この手を離したくない




こんなあたしを

愛してくれて




ありがとう……―――。




ゆっくりと唇が離れ、あたしはそっと目を開ける。




お互いの吐息が唇にかかるほどの距離で見つめ合う。




「…甘い…味…」




「…イチゴ牛乳…飲んだからやろ…」




「……フフッ…うん……」




「おまえ…そんな泣いたら、ブスになってまうで?」



「…もとから可愛くないからいいの」




「嘘やって……おまえ…可愛いで……」




「……そんなお世辞いらないし」




「ほんまに思うねんもん……」




そう言って、遊也はあたしのおでこにキスをおとした。
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