幼なじみ〜first love〜
「蒼のそばにいて…毎日思うの…。明日…蒼がいなくなるかもしれない…、あさって…蒼が心変わりするかもしれない……」




毎日不安に怯え

愛する人のそばで眠る




「……“いつか…自分を嫌いになるかもしれない”…って…そう思うんやろ?」




「………うん」




「……俺も…絢音に同じこと思うで…」




人を好きになることも

人を愛することも




楽しいだけじゃない

幸せなだけじゃない




もしも明日…君が

心変わりして



もしも…あさって

君がいなくなって



いつか君が……―――。






絢音が俺を

嫌いになってしまったら……?




人を
好きになればなるほど


不安になる


人を
愛せば愛するほど


怖くなる




「俺な…人を好きになったら不安や怖さは、一生…永遠に消えることないと思うねん」




沙羅の目をまっすぐに見つめた。




「せやけど、相手を疑ってばっかりやったらお互い疲れてしまうやんか…二人でいて楽しいって思うことせなあかんよ…」




「…だって……だって……」




「うまくいくもんも、うまくいかへんようなるで?」




「……こんなにツラいなんて…ぅぅ…っ……」




俺に寄りかかって涙する沙羅を、突き放すことはできなかった。
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