幼なじみ〜first love〜
絢音ちゃんと二人でご飯を食べるのは、今日が二回目だった。




前に無理やり、蒼の荷物を取ってくるという口実で、絢音ちゃんの家に押し掛けた。




その時、お互いのメールアドレスを交換してから、私から何度か他愛もないメールを送り、連絡を取っていた。




もちろんその間も、絢音ちゃんから連絡が来ることはなく、私の一方的な連絡に返信が何度か来る程度だった。




蒼に声が出ることを告白した後に、私は絢音ちゃんに“話があるから、ご飯でも食べない?”とメールをした。




私と会いたくないのか…何度か断られたけれど、私が強引に誘い、やっと会ってくれた。




その時、絢音ちゃんにも、声が出ることを告白した。




絢音ちゃんは、私が声を失った事情を知っているのか……




それを聞いて、涙を流していた…――。




その涙を見て、私は思った。




蒼がこの子を好きになったわけ……




今どき珍しいほどに、
純粋で…優しい子なんだろうね




……でも、渡さない。




蒼は

私のモノだから






――……並木道沿いにあったお洒落なパスタ屋に二人で入った。




「絢音ちゃん何飲む?」




「うーん…ワイン飲もっかな…」




「ん…絢音ちゃん飲むなら、沙羅も飲むよっ」




「ホントっ?飲も〜っ♪」




蒼は、絢音ちゃんをまだ忘れていない……




絢音ちゃんは……?




絢音ちゃんもまだ蒼を……想っているの……?
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