幼なじみ〜first love〜
私は、美味しいワインのせいで、少しほろ酔い気分だった。絢音ちゃん、他のお酒は1杯でも酔っちゃうらしくて、弱いらしいのだけれど、ワインだけは酔わないらしくて、変わってるって自分で言ってた。




「ここのパスタ、美味しいーね」




料理もワインも本当に美味しい。店員さんの丁寧な気持ちのこもった接客にも、気持ちが良かった。




「沙羅ってば、顔赤いよ?偶然だったけど、いいお店見つけたね」




「うん。蒼に教えてあげよっと…絢音ちゃんも今度、遊也くんとデートで…ねっ?」




「…う、うん!そーだね」




一瞬、曇った表情…

ムリして笑顔を作るこの子はやっぱり…




まだ…蒼を好き…?




そういえば、前に遊也くんと偶然会った時に言ってた。




“おまえの気持ちわかるよ”




遊也くんが絢音ちゃんを好きなだけで、絢音ちゃんは蒼を……?




「遊也くんとは…どうなのぉ…?」




私はワインを一気に飲み干した。




「どうって…別に普通だよ…?」




「遊也くん、カッコイイよねぇ…!最初会った時、芸能人かと思ったもん。」




「沙羅って…遊也と会ったことあるの?」




「うん…前に何度かね…。あんなにカッコイイ人、そうそういないよ…絢音ちゃん、遊也くんのこと大事にしなきゃだよ…?」




「………うん」




絢音ちゃんもワインを飲み干し、店員さんに同じワインを頼んでいた。




「沙羅は…蒼と…どうなの……?」




この子が、私とご飯を食べる約束をしたのは、これを聞きたかったからでしょ…?やっぱり私の勘は間違ってない。
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