幼なじみ〜first love〜

車の中、流れゆく景色と、流れる音楽に胸が切なくなる。




あれから遊也は、一言も話さない。




あたしは、黙ったまま遊也の横顔を見つめていた。




言わなきゃ…いけない




遊也にはあたしから




ツラい時

そばにいてくれた



泣きたい時は

抱き締めて



優しさで

あたしを
笑顔に変えてくれた




あたしは遊也が
いなかったら



今頃…どぉなっていたかな




遊也はあたしに


想われる“幸せ”を
教えてくれた人




涙を笑顔に

変えてくれた人




遊也…あなたは本当に

優しさに溢れた人だった




あたしには
もったいないほど



本当に素敵な人



あたしは何度

遊也を傷つけた…？




数えきれないほどの

痛み、哀しみ



あなたに与えてしまったね



何度も

何度も


苦しめて


あなたを愛せないと
告げて




それでもそばで

あたしを愛し続けてくれた遊也に




別れを告げるなんて……




やっぱり蒼が

好きだから？



やっぱり蒼を

忘れられないから？



今まで何度も

傷つけてきた遊也に



どうしたら

そんな酷い事が



言えるの……？




また勝手に

涙が溢れてきた




あたしはいつまでも

弱い



大嫌い…自分が



どうすれば…いいの？




遊也を傷つけること

出来ない



ねぇ…蒼



あたし…言えないよ