幼なじみ〜first love〜
ごめん…沙羅


こんなに
傷つけるくらいなら




俺たち出逢わなきゃよかったよな…?




守れない約束をして

愛してるフリをして




でも本当に…沙羅のことは

大切だったんだ




でもそれは

愛じゃなかった




一緒にいれなくて


ごめんな……




「何で…何で蒼が泣くの…?ずるいよぉ…」




「ごめん…沙羅…。沙羅のことは…大切に想ってる…」




俺は、沙羅の流れる涙を指で拭った。




「大切に想ってるなら…そばにいて…」




「…沙羅のことは、これからも支えてくよ…」




「……支えるって何?」




「…………」




「…お金ってこと?お金なんかいらないっ!欲しくない…っ!何でそんなこと言うの…?」




「でも生活費は必要だから…沙羅……これからも沙羅の面倒は見ていくつもりだから…」




「そんなのいらない…」




「最低なんだよ…俺は…」




「最低なんかじゃない…っ!ねぇ…蒼がいれば…沙羅はそれでいいの……」




沙羅の為に

俺は何もしてやれない




「沙羅…気がすむなら、殴ったっていいよ…罵ったっていい……いくらでも…俺が全部悪いんだ…」




沙羅は俺の足元にしがみつき、泣いていた。




「嫌っ…いやだよ……蒼…いなくならないで……約束したじゃない…来年も旅行いこうって……」




裏切りは

許されぬ罪




「ずっと一緒にいるって…約束したのに……」




沙羅を傷つけたことを

俺は一生忘れてはいけない




「……出逢ってからずっと…傷つけてばっかりで…ごめんな…」




俺は、泣きじゃくる沙羅を抱き締めることしかできなかった。
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