幼なじみ〜first love〜
「遊也…本当にすまなかった」




親父は軽く頭を下げて言った。




「今さら…なんやねん」




俺は鼻で笑ってしまった。




「許して欲しい…」




「…許すとか、許さへんとかちゃうわ。俺には父親なんかおらん…」




「遊也…おまえは俺の息子だよ」




勝手なことばかりやな




ほんまに




こいつの血が俺の身体に流れてると思うと怖いわ…




「母ちゃんが死んで、助けを求めた俺に何て言ったか忘れたんか…?」




「あの時は…」




「別にもうええから…理由があろうが、なかろうが。関係あらへん。理由なんか聞きたくもないしな。おまえはその息子だと思ってるはずの俺を捨てたんやから…」




「……遊也…すまない」




「せやから謝って欲しくなんかないねん。智也が死んですぐ、おまえ再婚して、新しい家族できたやんか。幸せなんやろ…?それでええやんか…」




こんなこと言うつもりも

なかったんやけどな




一生会わへんと

思うてたし…




「俺はおまえの息子ちゃうし、俺には家族はおらん」




「父親らしいこと何もしてやれなくて、本当にすまない…」




今さら何を言われても


何も感じなかった




沙羅には
偉そうに言ったくせに




結局は俺の方や



人のせいにして


自分の弱さを隠す




俺は…許せないんやろか…?




「二度と俺の前に現れんで欲しいねんけど…」




親父は俯いたままだった。




「俺の記憶から、おまえの存在消したんや。せやからおまえの記憶からも消せや…どうせ俺はいなくなるんやから…」




「遊也…」




「早よ…出てってや…」




親父は、何か言いたそうだだったが、俺の目を見つめ、何も言わずに病室を出て行った。
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