幼なじみ〜first love〜
――…ガシャン!バリンッ!!




俺は、花瓶やら、コップやらそこら中にあったモノを壁に投げつけた。




床に散らばる割れた破片。




「…うわぁぁぁぁ…――!」




俺は、ただ無性に

苛立って



悔しくて


悲しくて……




布団もシーツもぐちゃぐちゃにして、枕を投げつけ、俺は床に崩れ落ちた。




「…っざけんな!」




強く握った拳で床を何度も、何度も殴り続けた。




「……何でや…何で俺やねん」




指の付け根から少量の赤い血が流れた。




生きてんねん


ほら…血が流れてる




俺は……




「………死にたくない…っ」




宣告されてから2週間


ずっと

抑え込んできた感情




物音を聞きつけ、看護師たちが病室にやってきた。




「一ノ瀬さん…っ!」




あと…何回見れるのだろう…




空の色が変わるのを




あと何回……?




溢れる涙で、青い空が滲んで見えた。






絢音…ほんまのこと

言ったら




そばにおって欲しい




今も…


そばにおって欲しいねん




抱き締めてほしい


さらさらな髪に

柔らかい頬に



触れていたい





会いたい……

絢音……




会いたい……

会いたい




おまえの笑顔を

そばで見ていたい




でも…会えへん………




好きやで…絢音



大好きや……




せやから絶対に


おまえは幸せになるんや




その為なら俺は


この哀しみも

悲しみも




涙も




乗り越えられそうな

気がするから…――。
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