幼なじみ〜first love〜
「…どんだけイチゴ牛乳やねん」




泣きそうになるのをこらえ、俺がフッと笑うと、絢音の顔も少し緩んだ。




「ありがとうな」




「うん…っ」




絢音も、横のもうひとつのブランコに座った。




少しの沈黙の後、俺は話し始めた。




「なぁ…絢音」




「……ん?」




「………」




胸が苦しくなり、言葉に詰まる。




「遊也…?」




言わな…あかん




「…おまえを幸せにするヤツは、やっぱり俺ちゃうわ…」




「え………?」




云う台詞を頭の中で


何度も

何度も




繰り返したはずやのに




どうして…詰まるんや




涙が出そうになる




「いつか好きになってくれればええ…ずっとそう思ってた。俺が絢音のそばにおりたくて…」




別れは

言われるよりも



言う方がツラい…?



ほんなら

絢音が少しでも



ツラくない方を選びたいと



俺は思う




「でもずっと気づいてたんや。心のどこかでな…。絢音は蒼を忘れられへん。きっと…一生。おまえらの絆は、時間は…誰も入り込めへん」




「………」




「そんなん最初からずっと…わかってたんやけどな…見て見ぬふりしとった…。けど…もう限界や」




君の幸せの為なら



君の笑顔の為なら



俺は喜んで



嘘をつく



何にでもなる



悪者にも馬鹿でも



例え
嫌われたとしても



俺を恨んでも


憎んでもいい




でも、どうか君だけは



幸せになって……
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