幼なじみ〜first love〜

絢音―side―


――…部屋に閉じこもって、何日が経ったんだろう…




カーテンも閉めたきりで、朝も昼も夜も区別のつかない、真っ暗な部屋で…泣きつかれては眠って、目が覚めるとまた泣いて…その繰り返しだった。




あんなに一緒にいたのに




遊也…あたしやっぱり

あなたを傷つけただけだった




蒼のところに行けって

言ってくれたあなたに




あたしは最後まで

何も言えなかった




「絢音…もう十分だよ」




1時間ほど前に、美々ちゃんが心配して、あたしの部屋にやってきた。




「……絢音もたくさん苦しんだじゃない…」




あたしは…弱い


泣いていいのは

あたしじゃない




昔からそう…


あたしはいつまで経っても

大人になれない




「あたしは…結局、遊也を傷つけて…大切な人だったのに…傷つけたくなかったのに……」




「わかってる…わかってるよ……きっと遊也が一番、絢音の気持ちわかってると思うよ…?」




遊也に最後まで

何も言えなかったことが



悲しかった



遊也の言葉に

頷くだけで



きっと…何を言っても

傷つけてしまうとわかっていたから



遊也はきっと

あたしの気持ちに
気づいてた



旅行の時からずっと



あたしに別れを
言わせないように



遊也は自分から言ったんだ



どこまで
優しい人なんだろう



こんなあたしを
いつも愛してくれた
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