幼なじみ〜first love〜
蒼は

パパと蒼のお母さんの間にできた子……?




あたしは

パパとママの
本当の娘じゃない…?




だから兄妹じゃない…?




意味がわかんなかった




じゃ…あたしは…?




あたしは誰の子なの…?




暗闇に落とされた




頭の中は真っ白で


目の前は真っ暗で




何も見えない




――…ドサッ




あたしは身体中の力が抜け、その場に座りこんでしまった。




「絢音…っ」




美々ちゃんが包み込むようにあたしを抱き締める。




“…ほんまにあの二人がどれだけ想い合ってるか…知らんやろ?”




……遊也の声がかすかに聴こえる。




“何であの子じゃなきゃダメなのよ…。絢音はまだ20才よ…?この先就職していい人とたくさん出逢うわ。絢音は見てる世界が狭いのよ……”




“親のせいで、何で子供が犠牲になるんや?なぁ…子供に罪はないやろ…?”




ねぇ…あたしは誰…?




教えて…神様


助けて




“俺にはもう時間がないから…せやから、せめて絢音の幸せな顔が見たい…”




時間…がない…?




“遊也くん…時間って…”




“俺はもうすぐ…死ぬんや……”




…………死……ぬ…?




ねぇ…誰が…?




あたしの…聞き間違いだよね…?




ねぇ……遊也……!!
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