幼なじみ〜first love〜

それから数日が経ち…――




私は、あの人の元へ訪れた…―――。




「……沙羅」




病室のベッドにいるあの人は、相変わらず優しい笑顔で、私を迎えた。




「…遊也くん…具合はどう…？」




何も言わずにただ、笑顔で私を見つめた。




「…帰る前に、遊也くんにお礼を言いたくて…」




「帰るって…沙羅…おまえ…」




「…アメリカで暮らすことにしたの」




「……そうなんや」




「………うん」




なんだろう…また

胸の奥から




込み上げてくる




苦しい……想い




「沙羅……おいで」




遊也くんは、私をベッドの上に座らせた。




「…頑張ったな…沙羅…えらいやんか……」




そう言って遊也くんは、私の頭を優しく包み込むように撫でていた。




「また…泣いちゃうから…やめて……」




「泣いたらええよ。…いま…ツラいやろ……？…すごく」




「……ん……でも…蒼をやっと自由にしてあげれた……」




遊也くんの肩に寄りかかった。




「…遊也くん…あなたが一人じゃないって…言ってくれたからだよ…」




「……沙羅」




「ありがとう…って…言いたくて」




「……俺は何もしてへんし。けど…応援してるで」




「私たち…いい友人になれるかな…？」




「俺は、とっくにそう思うてた…」




人はみんな

ひとりじゃないって




真っ暗で
狭い世界にいた


私に



教えてくれた人




「…アメリカに帰っても、時々こっちに帰ってくるから…」




「……ん…待ってる」




「だから……生きててよねっ…！ぜったい…に……死んだりしたら…許さないんだからぁぁぁ……」




遊也くんの胸にしがみついて、私は泣いていた……―――。