幼なじみ〜first love〜
俺たちしかいない

静かな浜辺




5人で並んで寝転んで

星を眺めていた




「おまえらと出逢えて…ほんまに…よかったで…」




遊也は、星を見ながら呟いた。




「急にクサい事、言いやがって…」




ケンの声は微かに震えていた。泣くのを堪えてるんだろうと思う。俺だって同じだ。




「何言うてんねん…俺はこう見えてロマンチックなんやで?」




「昔、よくそんなこと言ってたな」




俺は必死に笑いながら答える。泣いたらいけないと思ったんだ。




「さすが蒼やな……」




「遊也ってあの頃、ありえねぇ金髪だったよな」




この時、みんなは俺と同じ気持ちだったと思う。ケンが必死に明るく言うと、美々も続く…




「そぉそぉ!まぁ〜綺麗に金色に染めてたよね」




「若気のなんとかって言うやろ…?美々かて…見た目はどこにでも居りそぉな、ただの派手なギャルやったやんか」




「うっさい、ボケェ!」




「美々までなに大阪弁つかってんねや」




「可愛いギャルだったと言ってちょーだい」




「ハハハッ…どんだけ自意識過剰やねんな」





みんな忘れようとしたんだ


この時だけは




悲しさも、苦しいこと全てを忘れようとしたんだ。




だから笑ってた。みんな笑ったんだ。




何年ぶりだろうか




5人そろって笑ったり、話したり




時間を忘れて

高校の頃の5人の



楽しい思い出を




星空を見ながら話したんだ
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