幼なじみ〜first love〜
絢音はずっと弱かった
心も何もかも
すぐに泣くし
俺がいなきゃダメだと思ってた
けどいつの間にか
いま俺の前にいる絢音は
強くなってたんだ
涙ひとつ見せない
もう…決めたんだな
「いまのあたしたちは、二人とも無理してる。余裕がなさすぎる…」
「わかってる…わかってるよ…」
「どちらかが無理してるとか、犠牲になる愛なんて、続かない…」
「絢音…俺は一度もそんなふうに犠牲だとか思ったことはないよ」
ただ…今の生活で
自分の将来のことを考える余裕はなかった
絢音が言いたいことも
本当はわかってた
「あたしは運命を信じてみたい……何より、蒼を、そして…あたし自身を信じる……」
俺は自分のガキくささに
あきれていた
欲しいモノを
大切なモノを
手放したくないと
ただ喚いている
自分のわがままだけで
俺はただの……―――
「……あたしたち大人になろうよ」
俺はただの子供だ