幼なじみ〜first love〜

―――………




パソコンの音、電話の音、コピー機の音…普段は意識もしないけど、耳に入り集中出来ない。




壁の時計を見ると、まだ夕方の4時だ。




社内は、皆、パソコンに向かい、一生懸命仕事に励んでいる。




けれど、俺だけは違った。




今日だけは、落ち着いて仕事ができない。




「水嶋さん」




そう声をかけてきたのは、会社の部下の女の子。




「なに?湯川さん」




「これコピーしてきますか?」




にっこり笑顔の湯川さん。




「あぁ…ありがと。頼もうと思ってたんだ」




今年入社してきたばかりの湯川さん。学生時代は雑誌の読者モデルもやっていたらしく、スタイルも良くて美人だと社内では狙っている男も多い。




俺より年は3つ下だ。




「あの…」




そう言って湯川さんは、書類を手に持ったまま、つっ立っていた。




「ん?」




「今日…仕事終わったら飲みに行きません?私のオススメのお店ありますよっ」




「あぁ〜ごめん、今日は予定あるんだ」




「もしかして…彼女さんとデートですか?」




湯川さんは小声で俺に耳打ちをする。




「デートっていうか…」




「えぇ〜!!水嶋さん、彼女いたんですかぁ?!」




声デカッ!!




湯川さんの声に一斉に社内の皆が、こちらを見た。
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