幼なじみ〜first love〜
コーヒーでも飲んでからデスクに戻ろうと思い、社内の給湯室に俺はいた。




背後に人の気配に気づいた時には、名前を呼ばれていた。




「水嶋さん…」




俺の後ろに立っていたのは、湯川さんだった。




「あぁ…湯川さんもコーヒー飲む?ちょうど煎れてた…」




俺がカップにコーヒーを注いでいると、湯川さんは後ろから俺に抱きついてきた。




「えっ?湯川さん…?」




俺は驚き、カップに注いでいた手を止める。




「…好きなんです……水嶋さんのことが…」




湯川さんが俺の身体を抱き締める力が強くて、なかなかほどけなかった。




「彼女がいてもいいんです…水嶋さんが好きなんです…私がそばにいたらいけませんか…?」




「湯川さん…まず、離れて?」




「嫌ですっ…!私、ずっと入社した頃から水嶋さんのこと好きだったんです。水嶋さん私のこと嫌いですか…?」




「いや…嫌いとかじゃないけど…」




「彼女がいてもいいです!私、2番目の彼女でもいいです!水嶋さんのそばにいれるなら、それでもかまわないから」




俺はそっと湯川さんの手をほどいた。




「2番目って何…?湯川さん…そんなふうに自分の価値下げたらダメだよ?」




「だって…私すごく好きなんです…水嶋さん以外考えられませんから…」




「今までもそんな恋愛してきたの?2番目の彼女なんて言うなんて…」




湯川さんは、俺から目を逸らした。
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