幼なじみ〜first love〜
「湯川さん、俺ね、何年も待たしてるんだ彼女を…」




「え…っ?」




湯川さんは、驚いたように目を大きく開けて、俺を見つめた。




「お互い好きで、すごく好きで…なのに俺がしっかりしてなくて、守ってやれなくて…20才の頃、さよならをしたんだ…」




「20才って…今、水嶋さん26才ですよね?6年も前の彼女のことを今も想ってるんですか…?」




「幼なじみで…俺はその子以外好きになったことない」




「そんな一途な人…いるんですか…?信じられない…だって水嶋さん、それだけのルックスで、今まで相当モテてきたでしょ?」




「モテないよ。恋愛に対して考え方も自由だし、人それぞれだけど…俺は、一人でいい…もちろん、大切な人たちは、いっぱいいる。…でも愛する人は、俺はたった一人でいい…」




「そんなに…好きなんですか…?」




「うん…この6年間、連絡も取ってないし、何年後のいつ会おうだとか、付き合おうとか、ちゃんと約束したわけでもないから。彼女は俺を想ってるかはわからないけど…」




「だったら何で…」




「でも…俺はアイツを信じてるから…」




信じてる


運命より何より




絢音…おまえのことを




「余計なこと話しちゃったかな…でも、湯川さんが2番目でもいいからなんて言うから…」




「彼女以外、本当に興味ないんですか…?」




「ないよ。湯川さんも…自分の価値を下げんなよ…自分をもっと大切にしなきゃ…」
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