幼なじみ〜first love〜

「…男なんて皆同じだと思ってました」




「湯川さんがまず自分を大切にしなきゃ…自分を愛さなきゃ、誰も愛してくれないよ?」




「水嶋さん…本当に純粋な方なんですね」




「湯川さん一人だけを愛してくれる人、絶対にいるから……」




「…いますか?」




「美人で、仕事中はよく気も利くし、決まってもいないのに、毎日…社内の誰よりも一番最初に出勤して、掃除して植木に水をやる湯川さんだから」




「水嶋さん…そんなことまで気づいてくれてたんですか…」




湯川さんは俯き、目をこすりながら鼻をすすっている。




「俺だけじゃなくて、見てる人は、ちゃんと見てるよ。見た目だけじゃなくて、中身もちゃんとね。湯川さんは湯川さんらしく、これからも頑張って欲しいな」




「私…泣きそうです…」





湯川さんは顔を両手で覆った。




「…もう泣いてるじゃんか」




「…すみません」




大丈夫


きっといる




湯川さんにも


運命の人が…
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