幼なじみ〜first love〜

「湯川さんなら、大丈夫。すぐにいい人見つかるよ」




「…はい」




俺は湯川さんの分もコーヒーを煎れて、カップを手渡した。




「これからも仕事仲間として、頼みます…期待してるよ、湯川さん」




「……はい」




俺はコーヒーカップを持って給湯室を出ようとした。




「水嶋さん!」




湯川さんの声に俺は振り返る。




「ん?」




「…お幸せに」




「…ありがとう」




そう言って俺は、微笑んだ。




――絢音



今すぐに逢いたい……。




逢いにいくよ。




だけど……




思った以上に




この彼女の心の闇は

深かったんだ



もがいてたんだ



そう…まるで


誰かに似ている




この人は


あの時の

俺の母ちゃんのように
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