幼なじみ〜first love〜
「どうしてそれを…?」




絢音の顔色が変わった。




「本人から聞いたんだよっ!どうして一人で我慢するんだよ?あんなヒドイことされて、おとなしく黙ってんじゃねぇよ…!」




絢音の目には、涙が溢れていた…




「だって…蒼と口利かなかったら、何にもしないって…蒼に迷惑かけることもないし…美々ちゃんにまで何かあったらあたし…」




俺は、押さえつけていた絢音の手首を離した。




「高梨にまでなんかするって言ったのか…?」




絢音は、小さく頷いた。




「ごめん…俺…」




座りなおして、泣いている絢音を抱きしめた。




「冷静になれなくて…今日1日、どうにかなりそうだった…。おまえが酷い目に遭って…本当に辛かったんだ…」




「蒼……」




「俺ってそんな頼りない…?絢音ひとりも守れない男かよ…?」




傷つけたくない…




おまえを…

何よりも大事だから……――。




「…だって…あんなに大勢の女の子たちから美々ちゃんのこと守れない。守る自信ないんだもん…。ひとりじゃ…何も出来ないよ…」




「ひとりじゃないだろ…?俺がいる…」




絢音の頬を伝う涙を拭い、頬に触れた俺の手…




俺は…そっと顔を近づける…――
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