お馬鹿恋愛
――次の日――
「……おい。なんだよ、これ。」
「え~なにが?」
「なにが?じゃねぇよ。お前、自分の買い物しかしてねぇじゃん。」
9時に出掛けて早5時間。
雫に振り回されているだけだ。
「…だって。休みの日に家に居たってつまんないじゃない。
大丈夫!!お兄ちゃんのことはちゃんと変えてあげるから!!!」
「……。」
大丈夫って…
「…あ、ここだよ。ここ。…すいませーん!!」
着いたのはめちゃくちゃ広い美容室。
なんかの有名店だった気がする。
―――――――――――――――
「…お兄ちゃん?」
「他に誰がいるんだよ。」
「え、でも…」
髪を染めた。
ピアスをとった。
…笑顔の練習までさせられた。
雫が戸惑うのも分かる。
俺じゃねぇ!!!
…人ってこんなに変わるのか?