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「先生…遅いよバカ~!早く終わらせるって言ったじゃ~ん!」


「ほんと悪い!急に桜井先生から資料の整理とテストの採点頼まれて…」


…桜井ー!!!

望月先生に押し付けないで自分でやれよー!!



「ほんとごめんな…。じゃあ行くか」


「…うん!」


桜井のことを今度からハゲと呼ぼうと心に決めて、先生と一緒に駐車場へ向かった。










「…あ」

駐車場で車に乗るとき、上を向きながら先生が呟いた。


「なに?先生どうしたの~?」


「…小林。帰り、寄り道していいか?」


「え?」


寄り道?


……寄り道!?


「全然いいよ!てか、寄り道したい!」


先生と長く一緒にいられる!



…でも、どこに寄り道するんだろ?




それから車に乗り込み、あたしの家とは反対方向に車を走らせる先生。


「先生~、どこ行くの~?」


「んー、俺の1番好きな場所」




先生の1番好きな場所…?


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