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「怒られてやーんの」

からかうように笑いながら、小声で言う先生。


「ゔ…。だ、だって…」


も~!

ハゲは準備室から出てけー!!



「まぁ、とりあえず座れば」

先生はそう言って、椅子を用意してくれた。

それだけで、なんだか心が弾む。


先生とゆっくり話せる♪



「あ、お前さ~。今日の朝、寝坊しただろ?」


「えっ!な、なんで!?」


なんで知ってんの!?


「ここの窓から、お前がすんげー勢いで走ってんの見えたから」


先生の席は1番奥で、窓のすぐ近く。

確かに窓からは校門がよく見える。



うわー!恥ずい!!

全力疾走してるところを先生に見られてたなんて…。

しかも髪とかボサボサだったし!

これからは絶対、寝坊できない…。


「あんま寝坊すんなよ~?」

先生はそう言って、あたしの頭にポンと手を置いた。


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