χ=s2


そりゃ先生から見たらあたしなんて子供だろうし…今みたいに甘やかすようにしてくれる先生も好きだけど…。

子供扱いしてほしくないっ…!


「小林?どした~?急にムスッとして」

不思議そうにあたしを見ながら聞く先生。


「…だって、先生、あたしのこと子供扱いなんだもん」


下を向きながらボソッと呟くと、先生は一瞬きょとんとして、プッと吹き出した。


「あははははは!そんなことで拗ねんなよー」

そう言ってあたしの頭をわしゃわしゃと撫でる。


「す、拗ねてないもん!」


う…。

なんか、あたし子供っぽい…。

子供扱いしないでとか言ってるあたしが、自分で子供っぽいことしてるし…。

そんな自分が、惨めで情けなくなる。


「別に子供扱いしてるわけじゃねーよ?」

俯いて落ち込むあたしに、先生が諭すように優しい声で言った。


「…本当?」

顔を上げて先生を見る。


先生はフッと笑って

「ほんと」

と、目を細めて優しく微笑みながら言った。


< 86 / 106 >

この作品をシェア

pagetop