憑かれる私と見える先生
第1談 手紙と陰と女の子
朝倉と出会ってから数日が過ぎた。
私はあれから憑かれる事がなくてすがすがしい日々を送っている。
それとは別にどうでもいい話だが朝倉とはめっきり会っていない。
そんなある日の3時間目。
数学の授業が実習になった。
担当の教師が休みらしい。
そう朝のHRに聞かされていたクラスメート達は休み時間でもないのに騒いでいる。
(うるさいな…)
またも私はサボろうと思い、こっそり教室のドアを開けて出ようとする。
だが何かにぶつかりとっさに手を引かれた。
「!?」
「おっと。
危ないなぁ…」
…朝倉だ。
クラスからは女子の黄色い声が響く。
それと同時に私への視線も痛いものに変わった。
私はバッと捕まれたままの手を払い教室を出る。
「あ、こら待て笹木」
そう言って教室に連れもどされると自分の席へ座らされた。
やはり女子の視線が痛い。
それより…朝倉はいつ私の名前を知ったのだろうか?
教えた覚えもないないのに恐ろしいヤツだ。