憑かれる私と見える先生
朝倉が教壇の前に立つと騒がしかった教室が嘘のように静まりかえる。
これが朝倉クオリティ。
***
それからはあっという間だった。
配られたプリントをひたすら解き、回収して終わり。
休み時間に入ると教室には騒がしさが戻った。
「笹木。
これ、この前落としてたぞ。
…気を付けろよ?」
「…は?」
朝倉はそう言って机の上へ綺麗に折り畳まれた紙を置いて行った。
(…なんだろ)
私は恐る恐るその紙をそっと広げる。
(影…を…ちゃんと…見…ろ…?)
'陰をちゃんと見ろ'紙の真ん中に小さな文字でそう書かれていた。
そして下の方に鳥井が書かれている。
…気味悪いな、色々と。
私は紙をクシャッと丸めて制服のポケットへ押し込んだ。