憑かれる私と見える先生

第2談 笑う朝倉


鳥居の件から図書館の女の子、真知(マチ)ちゃんとはとても仲良くなった。
詳しくは知らないが彼女も迷惑な力を持った同士であることには違いなく、すぐに打ち解け合うことが出来た。

そして今日も私は図書館へ向かう予定だ。

階段を降り、昇降口に続く廊下を1人歩いていく。

「!?」

と、曲がり角で誰かにぶつかり尻餅をついた。

「んぉ、悪い。
大丈夫か…?」

お尻に走る痛みから潤んだ目でぶつかった相手を睨んだ。

「…朝倉」

「先生に向かって呼び捨てか…
一応、俺は命の恩人でもあるんだぜ?」

相変わらずチャラチャラとした笑い方で私に手を伸ばしてくる。

「いらない」

そう言って立ち上がりスカートを軽く2、3回はらのうと朝倉はやれやれと言った感じで手を引いた。



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