プリンセスと学園の法則
●○瑠流○●
……馬鹿じゃないの?
あんな必死に演説するなんて。
あたしが勝てるわけないじゃん…。
ううん、本当は最初から分かってた。
あたしが負けるって事。
ただ――…
認めたくなかっただけ。
『次は花風瑠流さんです』
司会者の言葉に導かれてあたしはステージに立った。
皆の視線があたしにぶつかる…。
「あたしは皆を脅してました…ごめんなさい」
梨緒の言葉聞いたら全部馬鹿らしくなっちゃった。
あたし、今まで何をムキになってたのかな?
あたしの言葉で当然会場がざわめく。
梨緒もビックリしていた。
「あたしは、二年前愛していた“ある人”を取り戻すために、
プリンセスの座を狙っていたんです…
皆を脅してあたしに票を入れるように仕向けたのも、全部あたしです。
たくさん卑怯な手を使いました。
でも今日、全て終わりました…。
二年前愛していた人とも……
だからプリンセスは梨緒で決まりです。
もうあたしがココにいる必要もなくなったわ…
皆ごめんなさい。
それと……ありがとう」
あたしはステージを降りて出口に歩いた。
「――待って!!!」
後ろから聞こえた梨緒の声。
でも振り返らない。
そう決めたから……