プリンセスと学園の法則


あたしはボーッと過去の記憶を思い出していた。



「父さんは学園祭に招待するだろ?」


「え?」


「心配してると思うぜ?
一人娘だしな!」



そんなことない…

だってお父さんが勧めたんだもん。


寮制の学校を……


わざわざ遠いこの学校を選ぶ必要があったの?


それはきっとあたしが邪魔だから…。



「呼ばない。
お父さんなんて招待しない!!」



「梨緒?」




「だって……
お父さんが寮に入れって言った」



頬に暖かい涙が流れる。




あたしだってもっともっと甘えたかった。


お母さん、お父さんって呼びたかった…。



泣きわめくあたしに湊は優しく頭を撫でてくれた。


暖かい手の温もりに余計に涙が出てた。



今まで我慢してた分たくさんたくさん……




あたしは泣きつくした。




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