プリンセスと学園の法則


お母さんの事、

家族が大好きだった事、

お父さんの事、

寮の事、

転校の事………




一つずつ話した。


喋り終わると湊は言った。


「行こうぜ!」


「ふぇ??どこに行くの!?」

「これ、渡しに行く」


湊の手で光っているのは招待状。


この学園が生徒全員に作ったものだ。


赤とゴールドで包まれた封筒はとても高級感が漂っていた。


「やだよ。そんな勇気ないし!!

電話すらしてないんだもん……」



「ぜってえ大丈夫、俺を信じて?」

優しい目をして湊は笑った。


「~…っ」


強引で、意地悪なときもある。


けど、あたしを一番見てくれて、支えてくれているのは湊。


無理矢理にでも明るい方へ引っ張っていってくれるのは………



いつも、この手なんだ。




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