プリンセスと学園の法則



外は暗くて、一本だけ立った電灯が寂しく道を照らしている。


「寒いだろ。これ着てろ!」


「湊は??」


「俺、男だぞ?心配すんな!!」


ぶかぶかのダウンジャケット。


ほんのり香る湊のにおい。


それだけで安心してるあたしがいた。



「二人で着よ?」


「分かったよ」


小さく寄り添って一つのコートを二人で着る。


背の高い影と、背の低い二つの影が一つになる。


「あったかいね?」


「そうだな!」


あたしはカイロよりも湊が暖かいと感じた。



大好きなあなたが一番暖かい。

あたしの心を優しく包み込んでくれる。



細い道を二人で歩いていくと、明かりのついた家が一件だけあった。




「あれ、あたしの家だよ」




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