プリンセスと学園の法則


強く結ばれた手と大きな背中を見つめながら一緒に歩く。




階段を登って、たどり着いた先は屋上。



「ここからは梨緒の出番。行ってこい!!」



意味も分かっていないあたしは背中を押される。



後ろを振り返ったら目を細くして笑う湊。



あたしはゆっくり前を向いた…。

するとそこにはいるはずのない"あの人"の姿が目に入った。






「…お父さん!?!?」



「梨緒、久しぶりだな」


「何で…?何でいるの?」

「招待したのは梨緒だろう?」



「そ…だけど…」


上手く喋れない。

久しぶりの再開に胸はドキドキしていた。



「湊くん…だったかな?
あの子が言ったんだよ。
“ここで待っててくれ”…と」



「湊が??」



階段の方を見たけれど、もうそこに湊はいなかった…。




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