プリンセスと学園の法則
あたし達は舞台袖に戻る。
そしたら先生に言われた。
「あ~、本当ヒヤヒヤしたわ!
どうなるかと思った。
でも……
さすがプリンセスとナイトね。
あの演技??笑
って事にしとくわ。とにかく最高だったわよ」
先生は"演技"を強調してニヤニヤ笑った。
何となく先生の言いたいことがわかった。
きっと、"演技のキス"じゃなくて、"本物のキス"と言いたいのだろう。
「先生!あれは演技ですーー///」
「どうでも良いけど……
やっぱテメェが黒幕か。
緒方!!
あんなとこに俺を結びつけやがって!!
何が目的だ!」
湊はすごく怒っていた。
聞いた話によると緒方くんに殴られて、
その後木に結びつけられたらしい。
だから服ボロボロなんだね……。
なんか可哀想。
「よく縄がほどけたね。
ただ俺はお前が嫌いなだけだよ。
だから、お前の好きなヤツを奪ってみようと思った
それだけだよ」
緒方光……
この人は何を考えているんだろう…?
「本当によく似てるな…
またね、梨緒チャン」
似てる…?
緒方くんが最後に残した意味深な言葉。
この言葉は一体何を意味するんだろう?
あたしが誰かに、
似てるの…かな?
緒方くんはあたしの頬に手を寄せ、
愛しそうに、
だけどどこか寂しそうに微笑んだ。