プリンセスと学園の法則



「梨緒、行くぞ!!」


真っ暗になった理由。


それは緒方くんの腕があたしの顔を隠したから。




正直ホッとした。


あのままだったら、きっとあたしは泣いていた。



あたしはそのまま緒方くんに連れられ寮から出た。




「ありがと、緒方くん」



「――光」


「?」



「"緒方くん"じゃなくて"光"って呼べよ?」




「…ひか…る?」



「泣くなよ…。
アイツのために涙なんて流すな」



光の言葉は、あたしの胸にできた隙間に入り込んで


気持ちの邪魔をした。









「俺、梨緒が好きだ…」






「――……」






緒方くんが…
光が…


あたしをスキ?






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