プリンセスと学園の法則
危険な寮生活~キス魔はだぁれ?~
――ハァハァ
半分息を切らせながらアタシは寮へ飛び込んだ。
「…間に合っ…た?」
時計は一定の速さで動きながら、10時一分前を指している。
「お疲れ様♪」
振り返ると爽やかな顔をした男子が立っていた。
――あれ?
アタシ……寮の場所間違えたかな???
「どうかした?」
彼はキョトンと顔を傾かせている。
「ここって……椿寮ですよね…?」
「うん、そうだよ?」
「え…あの、じゃあなんで男子が…いる…の?」
状況が全く読めなくて、言葉がカタコトになってしまった。
「だってここ、男女共同寮だし」
だんじょきょうどうりょう???
「えぇぇぇぇぇぇ!!!!」
たったままの彼は両耳を指で塞いでいた。