プリンセスと学園の法則
「もう冬だねぇ」
「そうだな」
冷たい風が髪を揺らす。
手を繋いで歩くあたしたちを皆はどう見てるんだろう?
やっぱり、恋人同士に見えるのかな?
好きな人と両想いになれるって凄いこと。
この幸せを自分から手放したりしないよ、絶対に……
「梨緒、梨ー緒?ついたぞ」
「えっ!?もう?」
――早くない!?
とは言っても時間は時間。
気持ちをバイトモードに切り替えてお店に入った。
――ガチャ
「お~♪二人でお出ましかい?」
「そーゆう光くんだって彼女と一緒じゃないですかぁ♪」
「そーですよ!」
「俺と杏莉は二人で一つだもーん♪……な?」
「ね♪」
なんじゃこのカップルはーー!?!?
甘×甘さは絶対この二人に勝てない。
あたしは秘かにそう思ったのだった。