プリンセスと学園の法則



あたしはゆっくりメモを広げた。


―――――――――
お客様へ

リングの裏に名前を入れさせていただきました。

いつまでもお幸せに…

橋乃より

―――――――――




「えっ!?」



読み終えたあたしはつい大きな声を出してしまった。


ここまでしてくれるなんて思ってもなかった……




なんだか、嬉しいな。



でも――…


どうして名前分かったんだろ?



あたしは前、このお店に来た時を思い出した。




「そう言えば…」



―――――――――――――……



『湊、よろこんでくれるかなぁ♪』



『それは彼氏さんのお名前ですか?』



『はい!!』



『なんか自分の物を買うわけじゃないのに…。

何でだろう?

こう言うのって、すごく嬉しいですね!』



『幸せそうですね!
ちなみにお客様のお名前は?』



『梨緒です。
幸村梨緒って言います』




――――――――――――――……



そんな事があったような気がする。



「……きゃくさま?お客様?」



「あ、すみません?!」



「ラッピングが終わりましたのでお会計よろしいでしょうか?」



「はい!」





< 185 / 224 >

この作品をシェア

pagetop