プリンセスと学園の法則
「え…ちょっと待っ――…んん!!」
今までで一番深いキス。
湊の指があたしの指に絡まってる。
何してるんだろ?
でも、いつの間にか
そんな事が考えられなくなってゆく。
体が溶けちゃいそうだよ…
風邪のせいで余計に、頭がボーッとするし。
でも幸せな時間だった。
口では伝えられない想いが詰まってる
甘くて優しいキスだった。
「――…はぁ…」
「梨緒、手見てみ?」
「うん?」
手…?
とりあえず言われた通り手を見た。
「…え……なんで?」
嘘?あり得ない!!
ちょっと待って?
ビックリしすぎてあたしの心が追い付かない。
「コレ……」
あたしの右の薬指には、
眩しいくらいの輝きを放っている指輪があった。
「さっきプレゼント無いって言ったじゃん……」
「ビックリした?」
「当たり前!」
「それ、只の予約だから。まだ左手にはつけるなよ?左手の薬指には本物を買ってやるから」