プリンセスと学園の法則
「眠いんだろ?」
「ん。でも、我慢…す、る…」
やばい…
まぶた重いよ……
寝ちゃダメ。
だけど―――……
あたしは深い闇の中に落ちていく……
そんな中、夢を見た。
大好きな人が『好きだよ』って囁いてくれる夢。
でも顔は分からないの…
黒い影で隠れてる…
もう少しで分かりそうなのに…。
「――…お?」
「…り~お?」
あたしを呼ぶ声がする。
あたしが声の方へ振り返る。
それからもう一度前を見たら“顔のわからない彼”は、
もうずっと遠くを歩いていた。
「梨緒!!」
そしてあたしはまた現実へ引き戻される。
「うわ!……あれ、つぃた?」
「うん、そんなにビックリしてどうかした?」