プリンセスと学園の法則



「ううん、何でもない…」


「じゃ、行くか♪」


あたし達は電車を降りて、それから数分歩いた。




見慣れない景色に戸惑う気持ちと、
嬉しい気持ちがごちゃ混ぜになる。



しばらく歩くと一軒の家が見えてきた。




「あれ、俺ん家♪」


「でか~」



「八人で暮らしてるからそうでもない」



湊の横顔はなんだか嬉しそう。



家族好きなんだな~…
なんて思ったり



最近は湊自身について、色々知ってきたなって感じる。



もう少し先にあった家も、いつの間にかあたしの目の前に建っている。




――ピンポ~ン…


湊がチャイムを押した。




「は~い」


中からざわざわと賑やかな声が聞こえる。




――…緊張してきたよ~。

ちゃんと挨拶しないとね。




< 204 / 224 >

この作品をシェア

pagetop