プリンセスと学園の法則
「ううん、何でもない…」
「じゃ、行くか♪」
あたし達は電車を降りて、それから数分歩いた。
見慣れない景色に戸惑う気持ちと、
嬉しい気持ちがごちゃ混ぜになる。
しばらく歩くと一軒の家が見えてきた。
「あれ、俺ん家♪」
「でか~」
「八人で暮らしてるからそうでもない」
湊の横顔はなんだか嬉しそう。
家族好きなんだな~…
なんて思ったり
最近は湊自身について、色々知ってきたなって感じる。
もう少し先にあった家も、いつの間にかあたしの目の前に建っている。
――ピンポ~ン…
湊がチャイムを押した。
「は~い」
中からざわざわと賑やかな声が聞こえる。
――…緊張してきたよ~。
ちゃんと挨拶しないとね。