プリンセスと学園の法則


「ど、したの?」



急に不安で胸が一杯になった。

嫌な予感が、

信じたくない様なことが起こる気がして





湊が離れていってしまうようで……―――






「俺さ、梨緒と一緒に卒業出来ねぇかも…」







……なにを言ってるの?






今、湊は何て言ったかな?



耳を塞ぎたくなるような現実が、あたしに襲いかかる。



さっきまで普通だったよね?

突然すぎるよ、

でも、確かに変だと思ったんだ。

湊がお母さんに呼ばれて
あたしの所へ戻って来たとき…


少しだけ、ほんのちょっとだけ


湊の顔に戸惑いと困惑の表情が見えてた……。



あたしが、あの時見た夢もこの事と繋がってたのかな?


電車の中で見た夢は前兆だったの?




まだ受け入れたくない。



「やだよ……どうしてなの?」



「俺だってやだよ、……でも
「やだ!絶対やだ!!」



困っている湊が見えた。
困らせたいわけじゃないのに……


でも、止まらない。



湊が離れていくって言うのなら、

我が儘だって言う。

小さい子供みたいに駄々もこねる。





こんな事しても何にもならない事だって分かってるのに。



でも素直に受け入れられる程、
あたしはまだ大人になってない……―――




あたしには、湊が必要なんだ。







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