プリンセスと学園の法則


自転車の心地よい揺れ具合、冷たい風と、湊の体温を感じた。




「ほい、到着」



「えっ、もう?」


「ほら、降りなプリンセス(お姫様)」



そう言って手を差し伸べてくれた湊はまるで本物のプリンス(王子様)のようだ。



ゆっくり手を取り、自転車から降りた。



早朝と言うこともあり、人気はあまりない。


見えるのは湊だけ。



「さ、入ろうぜ?」



あたし達は、暖かい店内に吸い込まれるように入っていった。



席に座って少ししたら店員さんが注文を聞きに来た。

「ご注文はお決まりでしょうか?」



「ホットココア!」


落ち着いた雰囲気の静かな店内。

あたしの大きな声が響いてちょっと恥ずかしかった。

湊は笑ってるし!
もぅサイテー///


「俺はー…、ホットコーヒーで」



「かしこまりました。では、ごゆっくり」





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