プリンセスと学園の法則


きっと、そんな思い出があたし達を強くしているんだ。



「帰るか?」


「うん!」



カフェから出ると空から太陽が顔を出していた。



「あたし、お正月過ぎたら一足先に寮へ戻ろうかな」

「えっ?!」


驚いたのか、足を止めて振り返った湊を無視して自転車に飛び乗った。



「お正月の後なら、もう寮の掃除も終わってるでしょ?」



「そりゃそうだけど…」



止まったままの湊、
あたしは自転車に視線を移した。



“乗って”と言いたいのが分かったのか、

湊は従うように自転車に乗り、朝と同じようにあたしを後ろに乗せたまま家に向かってこぎ出した。




「少しでも長く、あの寮で暮らしたいの」



「……分かった、じゃあ俺も寮に戻る」





< 219 / 224 >

この作品をシェア

pagetop