プリンセスと学園の法則


朝起きると雨が降っていた。


「雷鳴りそう……」


嫌な気分で部屋を出るとばったり湊に会った。


「「あッ……」」


「今日、ちゃんと寮長に聞いといてね?」

「ハイハイ」


いつもの湊でちょっと安心した。


すると隣の部屋から葉瑠も出てきた。


「あ…おはよう葉瑠?」


「おはよう」

今日は珍しく起きるのが早い。


「珍しく早いね、湊もそう思わない?」


どうかしたのかな…?


湊は不機嫌そうに葉瑠を睨んでいた。


「……みなと?」


「わりぃ…先行くわ」


葉瑠の横を通りすぎるとき、湊が何かを言った。


雨の音でよく聞こえなかったけど、


なんだか寂しかった。




あたしには何も言ってくれない。


あたし達、仲間でしょ?

一緒に生徒会やってるじゃん。


何があったの?

あたしには何も教えてくれないの…?





降りやむ様子のない雨は


今のあたし達の心のように冷たく…



曇っていた。



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