プリンセスと学園の法則
●○葉瑠○●



……やべぇ。


やべぇよ。


コツン、コツン…

とヒールの音を響かせながらこっちに向かって来るアイツは……


梨緒だろ???


プリンセスだけあって、元々綺麗だとは思ってたけど…


あれはやべぇよ。


皆見てんじゃん。
アイツ…

梨緒は気ずいてんのか?


白く透き通った肌に黒い大きなクリクリの目。

抜群のスタイル。

ただでさえ、綺麗なのにあんなドレスを着て俺を見る。



ちょっと余裕っぽく

『綺麗だよ、梨緒』


なんて、耳元で言ってみた…

けど本当は内心一杯一杯。



おまけに柘十と実坩はニヤニヤしながら俺を見てくる。


梨緒は気ずいてないみたいだけどな…


最後には『いってらっしゃい』とか言いやがって…



全く、どこに行くんだよ?
って感じだよな。



そしたら梨緒は、

『もぉ、聞いてたぁー?』
とか言ってくるし。



俺は気持ち押さえんので大変なのに。



つか梨緒の事もちゃんと見れないし…。



やっべぇ。


ダンスパーティ終わるまで持つかな?


でもここで我慢しねぇと、湊と同じレベルになっちまう。



頑張れ俺!!!

あと少しだ。




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