プリンセスと学園の法則
「まず最初は、プリンセス幸村梨緒とナイト水波葉瑠のダンスをお楽しみ下さい」
司会者の言葉と共に、あたしと葉瑠は入場した。
キャーーー!!!!
会場はすごく盛り上がっていた。
やがて、クラシック系の音楽が流れはじめ、あたし達のダンスは始まった。
♪~~♪♪~~
失敗もなく、順調に踊るあたし。
だけど次はあたしの嫌いな難しいステップの所。
緊張していたあたしは、見事にステップを間違えた。
――やば!!!
間違えちゃったよぉ~…
だけどそんなミスさえも、葉瑠はスムーズに対応して、ミスをカバーしてくれた。
葉瑠はあたしが見るとニコッと笑た。
それに、口パクで『大丈夫』と言って安心させてくれた。
葉瑠……
ちゃんと伝わったよ。
それからあたしは失敗もなく無事、躍り終えた。
すると大歓声が、あたしと葉瑠に降り注いだ。
「いやぁ~素晴らしいダンスでした。
コンビネーション抜群でしたねぇ。
ハワイ旅行も狙えるんじゃないですかぁ?」
司会の人が喋り終わり、あたしが席に着こうとした時。
「梨緒、さっきミスしたでしょ?」
「えへ♪やっぱバレた???」
「うん。だからさ…一つだけお願い聞いてくれる?」
「―…あたしに出来ることなら良いけど…」
「……むしろ梨緒にしか出来ない事だよ…」