プリンセスと学園の法則
一人でくるんじゃなかった…
心細いよ。
余計不安になるよ…
あたしはふらつく足をゆっくりと一歩一歩進め、教室に向かった。
「幸村ー。
五分遅刻だぞ!!
今日は転校生が来るんだからな?」
「すみません…」
転校生か。
…あたしも落ち込んでばっかじゃいられないよね!
よし、転校生も来ることだしテンション上げていこう!!
――ガラ
教室の扉が少しずつ開いて転校生が入って来る。
「―――…」
あたしは驚きで言葉を失った。
教室のざわめきも遠くで聞こえているみたいだった。
「花風瑠流--ハナカゼルル--です。
転校してきたばかりで不安だけど、仲良くして下さい!」
ニッコリと綺麗な顔で笑う瑠流ちゃん。
転校生って…
この子だったんだ。
「まさか……」
「そんなはず……」
「あり得ない……」
葉瑠や湊、玲音も口々にそう言った。
きっと皆知っていたんだ。さっきの出来事を。
あたしだって信じたくなかった。
この子が今朝の“プリンセスの鐘”を鳴らした子だなんて…